1.体外受精・胚移植(IVF-ET)
AIHでも妊娠しない場合、初めから卵管障害、乏精子症がわかっている場合、施行します。奥様の卵巣
から卵子を取りだし、精子と混ぜ培養し、できた受精卵(胚)を子宮に戻す方法です。施行する前の高温
相より、鼻から薬を投与します。(排卵を抑える薬で、卵を取るときに「すでに排卵してしまった」と
いうことを避ける目的で使用します。)採卵の前約7日間排卵誘発剤を投与します。採卵は静脈麻酔下で
腟から超音波ガイド下で針を刺して施行します。朝来院し、午後2時ごろには帰宅できます。採卵当日
卵が採取されたのを確認後、旦那さんに精液を採取してもらいます。採卵の2日後に胚を子宮の出口
より戻します。朝来院し、お昼頃には帰宅できます。約2週間後に妊娠の判定です。妊娠率は約20〜30%
です。(世界的に見てもほとんどこの数字は変わりません。)
2.配偶子卵管内移植法(GIFT)
体外受精の変法です。奥様には前日に入院してもらいます。全身麻酔下で、前述の腹腔鏡を使用し、
その場で採取した卵子と、朝採取していただいた精子を卵管から注入する方法です。卵管には「着床を
改善させる因子が存在する」と言う研究結果に基づき広く施行されている方法です。確かに妊娠率は
IVF-ETよりやや高く、約40%程度です。ただし、この因子は同定されていません。卵管通過障害や
高度乏精子症の方はGIFTを施行することはできません。
3.顕微授精(ICSI)
重度の乏精子症や、IVF-ETで受精卵が得られなかった場合施行します。スケジュールはほとんどIVF-ETと
同じです。違うのは、「卵子と精子を混ぜる」かわりに「卵子の中に細いガラス管を使用し精子を注入
する」ことです。妊娠率は約20〜30%です。(世界的に見てもこの数字はほとんど変わりません。)
4.精子凍結保存、解凍
御希望のある場合、精子を凍結保存することができます。理論上有効期間は半永久的です。旦那さんが
長期出張であるが不妊治療をしたい場合や、特殊な方法でしか精子が採取できない場合(インポテンツや
精管の障害)に有効な方法です。精液検査と同じ要領で精液を採取して下さい。当院で処理し凍結保存
します。適時解凍します。
5.胚凍結保存、融解
IVF-ET、ICSIで残った胚は、御希望のある場合凍結保存できます。理論上有効期間は半永久的ですが、
日本産科婦人科学会のガイドラインによると、生殖年齢中までとなっています。IVF-ETやICSIで妊娠
しなかった場合、少し時間を置いて融解胚による胚移植を施行します。スケジュールはIVF-ETとほとんど
同じですが、麻酔や針の穿刺はしません。胚移植後約2週間で妊娠の判定をします。成績はIVF-ETと
ほとんど変わりません。当院では、ここで紹介したすべての手技が施行可能です。日程の相談、手技に
関する質問などがありましたら、お気軽にお尋ね下さい。
