-腹腔鏡-
子宮卵管造影にて異常所見が見られた場合や、人工授精などの治療にて妊娠しない場合施行します。
主な検査内容は、卵管周囲の観察や、色のついた水を子宮の出口から入れ、卵管から出る様子を観察する
「卵管通色素法」です。腹腔鏡は他にも腫瘍摘出にも利用できます。
なお、当院には入院施設がありません。腹腔鏡が必要な方がいらっしゃる場合には、当院長が宗産婦人科
病院に出向き、手術を施行します。
腹腔鏡手術とは?
腹腔鏡手術とは、おなかに小さい穴を3〜4カ所開け、細いカメラやおなかの中を操作する
鉗子(手長エビの手のような、細長いはさみのようなもの)を入れて手術をする方法です。
従来の開腹手術に比べると、術後の痛みが少なく、傷跡も小さく、早い社会復帰が望めるなど
のメリットがあります。産婦人科の病気では、卵巣のう腫、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮外
妊娠などに使用します。また、不妊症の方の精密検査にも使用でき、癒着などの問題があれば
その場で治療もできます。腹腔鏡手術の手順をご説明します。
-手術前-
・前日に入院します。
・食事は夕食を最後とし、夜中の12時以降は水分もとれません。食事や水分を取りますと、麻酔
の時に嘔吐したりして、危険です。
・手術前日の夕方と当日の朝に浣腸をし、腸の中をきれいにします。
・手術部位の体毛を剃り、へそをきれいにします。お風呂にも入っていただきます。
-手術手順-
・麻酔の前に、麻酔の効果をよくするため予備麻酔をします。
・全身麻酔をした後以下のような手順で手術が行われます。
1. へそのすぐ下に直径約1cmの細い筒(トロッカー)を挿入します。
2. 筒から炭酸ガスを入れ、腹壁を内臓より持ち上げ、腹腔内を見やすくします。
3. レンズと光源のついた細い筒(スコープ)を通し腹腔内を 観察しながら、両脇に一ヶ所ずつ
合計二ヶ所の、直径約3-5 mmのトロッカーを挿入し、そこから入れた鉗子により遠隔操作で
手術をします。
-手術後-
・食事、シャワーは翌日から可能です。翌日から歩行もできます。
・当院では毎週水曜日が手術日ですので、その週末(土曜日か日曜日)に退院できます。
-帰宅後-
・術後約2週間で仕事に復帰可能です。
気腹法と吊り上げ法
・腹腔鏡手術は、開腹手術に比べて手術中の視野が狭いため、おなかをふくらませて視野を確保
する必要があります。このとき2つの方法があり、それが気腹法と吊り上げ法です。
・気腹法は、腹腔内に炭酸ガスを注入し、腹壁をふくらませて手術をするものです。吊り上げ法
に比べると若干視野がよいですが、炭酸ガスを注入することで発生する合併症(肩の痛み、塞栓
症)があります。塞栓症とは、血流が血液の塊でふさがれ血行障害が発生することで、肺、脳に
発生すると致命的になります。腹腔内の炭酸ガスが、血管内に溶け出し、泡ができることで血
管内に血液の塊ができると言われています。特に肺塞栓は発見が難しく、術中にわかりづらい
こともあります。
・吊り上げ法は、皮下に細い針金を通し、それを天井方向に持ち上げる方法です。気腹法に比べ
て若干視野が劣りますが、炭酸ガスを使わないので炭酸ガスを注入することで発生する合併症
はありません。
注意点
・おなかを切る手術に比べ、腹腔鏡手術は傷が小さく、術後の痛みも少ないですが、全く痛みが
無いわけではありません。
・開腹手術と同様の危険性(出血や麻酔による合併症)もあり、場合によっては手術の途中で開腹
手術に変更せざるを得ない場合があります。特に、癒着がひどい症例にその可能性が高いです
。癒着の程度は手術中にしかわかりません。手術方法、日程などの質問、相談がありましたら
いつでも気軽にお尋ね下さい。
